イントゥ・ザ・ワイルド(Into the Wild) 感想 

Into the Wild   監督 ショーン・ペン

1996年に書かれたノンフィクション作品「荒野へ」が原作の、2007年公開のアメリカ映画です。
記事にはしていませんが以前に原作の「荒野へ」を読んで以来、この映画が気になっていました。

クリスが感じた大自然や彼の見知らぬ世界とは、映像だとどうなるだろうか?
文字だけでは伝わりにくいものもあるんだろうなということを期待し、ゲオでレンタルして視聴しました。



やはり映像が付いたからか、文章だけの原作よりも全体的に開放感があり、常にクリスの顔へ差し込む太陽の光が印象的でしたね。
裕福な家庭で育ち頭脳明晰のクリスだったから少し線の細いところもあるのかなあと思っていたら、まあ当たり前ですけど映画では髭も生えて髪もパーマがかった野性的な風貌でした。
いやそれでもやはり顔つきの奥には何かしら深い何かを抱えているような、そんな雰囲気を上手く醸し出してくれた男優だったように思いました。

クリスが旅立った理由ですが、両親の不倫により生まれたと知ったことで周りが偽物に見え、「本物」を求めるようになったというのが大きいでしょう。
日本だけでなくアメリカにも閉塞感みたいなものがあり、「病んだ社会からの脱出だ!」と叫んでいたのは印象的。
無駄な仕事、無駄なシステム、無暗に複雑化した全てにうんざりしているのは自由の国アメリカと言えども同じなのかも。
ただ、両親と完璧に決別するわけではなくて、これからの自分の人生を自在に動かすための大冒険を終えたらまた家族との仲を戻すというのは、原作同様映画からも読み取れるものでした。
若い男には、全てを取り払ってゼロから冒険したくなる時があるんですよ。

クリスの旅ですが、やはり映像が付いたからその空気や雰囲気を実感できました。
また当たり前のことを書きますが、日本と同様アメリカにも広い空、緑、海があるんですよねえ…
雄大な大地とか人里離れて原生林が残るアラスカとか、こういう物語は日本含む他の国々でも起こり得るものなのかもなあとも思いましたよ。



原作と比較すると、全体的に映画は「クリス個人」に主眼を置いたもので、原作のように「クリスのような人」に対しての言及がほとんど無かったように思います。
ゆえに原作よりも少しストーリーがちっぽけなように思えたのが少し残念。
周りの人のエピローグも映画で見たかったです。
まあ両親がずっと悲しんでいるシーンとか流れたら泣いちゃうが…

映画した見たことない人は原作も読んでみることをおススメします。
クリスの人生は同じでも、この物語への見方が少し違いますから。
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