ぼくらの1~3巻 感想 

ぼくらの   作 鬼頭莫宏

 月刊IKKIで2004年から2009年まで連載された漫画、「ぼくらの」の感想を書いていきます。「なるたる」に続く、鬼頭さんのひらがな四文字作品です。
 2010年に文化庁メディア芸術祭漫画部門優秀賞を受賞したようです。また、2007年にアニメ化もされました。
1巻

IMGP4518.jpg 15人の少年少女が、ひょんなことから巨大ロボットのパイロットになって、地球を侵略しにやってきた怪物と戦う。辛いこともあるけど、最終的にはみんな生き残って平和な日常に感謝する。そんなありきたりなストーリーを読者も主人公たちも最初は思っていたことでしょう。
 最初読んだときは気づきませんでしたが、ココペリが戦っているときの椅子と主人公15人の椅子は異なっています。主人公15人だなんて、普通の漫画と比べれば多すぎますね。だが、しかし…。
 1巻では二人のパイロットが登場しますが、二人共その人の過去とか考えが描写されています。何も考えていない子供、というわけではなくて、色々何かを考えて生きているようです。

 パイロットが搭乗するジアースは、全高500mあります。500mなんて数値だけでもでけえのに、街中で戦っているときの建造物との対比でさらに大きさが実感できます。
 ああそうそう、洞窟探検はマチが誘ったんだよね…(意味深)

2巻

IMGP4519.jpg 2巻でこの物語の根幹の情報が登場。「自分の命を犠牲にして、この地球を救え」ということ。ヒーローになる、ということに関しては、拒否する人は少ないでしょう。しかし、必ず自分の命を差し出さなければならないとなると、かなり難しいですね。やらなければ全員死ぬのはわかっているけれども、簡単に命を捨てることは出来ません。ましてや、子供たちでは…。
 大一のエピソードはその情報が出てすぐ後にあったためか、「ああ…つまり、こういうことなのか!」という気持ちを強く抱きました。死にたくない、だけど家族を救うために俺は全力を尽くす、という予測できたことをそのまま。
 摩子のエピソードは世界を救うとか家族を救うとかが前面に押し出されているというよりも、自分に納得して行動を起こそうという、なかなかさわやかな決断のしかたでした。ルールに従って表面的に良い子であろうとするのではなく、自分の意志と行動に責任を持って。少年少女が大人へと成長するような話でしたが、結局死んでしまうというのは、大いなる皮肉です。


3巻

IMGP4520.jpg 3巻のパイロットは加古と千鶴。加古は、自分の死が迫っていることによって取り乱す子供、を代表しているようでした。1,2巻で彼のクズっぷりは露呈していたのでさほど同情することは出来ませんでしたが、彼のように混乱するのは普通でしょうね。コエムシが言うには、「加古と古茂田と往住以外は、どっか頭の螺子が飛んでやがる」らしいので。まあ全員普通なら、物語が成立しないし…。
 千鶴が加古を殺したのは衝撃です。そしてみんなはそれを見ていることしか出来ないってことも。彼らが、いかに極限環境に置かれているかということがよくわかるシーンですね。ルール外のことが起こっているのに、律儀にルールを守って殺されるのは避けないといけないのはよくわかります。でも、パイロットがパイロットを殺すとは、思わなかったな…。作者は全ての極限環境を描こうとしているのか!?
 
 軍隊が主人公たちに関わってきますが、そういやあ「なるたる」でも軍が登場したなあ。兵器の名前とかいっぱい出てきますし、作者はミリタリ系好きなの?
 

4~6巻
7~9巻
10,11巻&総括
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