アライブ最終進化的少年19~21巻 感想

雑記
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19巻

IMGP4514.jpg 冒頭のミケーレの死は、あっさりしすぎて逆に後味悪すぎでした…。だって、ミケーレは勝又に操られ続けて利用され、そして用済みになったら勝ち目の無い広瀬との戦いをさせられて死んだのですよ。何一つ報いが無い…。
 軍隊側の代表として、合衆国の大統領が登場しましたが、黒人の女性という、今まで(オバマさん以外)の白人男性とは対極の位置にあります。ストーリーにはその要素が関わることはないのですが…。でも思想は伝統的なアメリカ人的。

 御霊が言うには、太輔と広瀬に落ちたものは、新たな進化の芽生えのようなものだったようです。確かに進化というものは変異と選択によって発生しますが、ん?つまりこの「小さき者」って「彼ら」と比べてどういう存在なのでしょうか?「死にたい」という欲求を強く持っていないのでしょうか?
 そして御霊は進化の余地を見出し、もう一度精神体となって進化を見届けようとします。「全人類が一つになる」ってのは、例えばエヴァとかでよくあることですが、アライブは少しその目的が違っているのでしょうかね?「一つになって争いを無くす」というのが最終進化なら、精神体になって進化を目指すなんてセリフも言わないだろうし。
 
 明らかに最終決戦が近づいているのに、太輔たちがのんびりして「現実味が無い」とか「こんなことしてていいのか」と疑問に思うシーンは、他の漫画などではあまり見られない展開ですので新鮮でした。1部の、個人レベルで心臓を追う、というのとは対極的な雰囲気です。問題が大きくなりすぎて、個人レベルではどうしたらいいのかわからない、と。
 心臓の欠片を持って人々の心の闇が見えるようになった太輔が、持ち前の元気を出さずに憔悴していくシーンは、何か泥のようなものが沈着していくような、暗い雰囲気がありました…。「現実」というものはどこからどこまでの認識によって決定付けられるのか、何か色々考えてしまいます。
 

20巻

IMGP4515.jpg 広瀬との最終決戦開始。さらに、東京に核が降ってくるということにもなり、後に引けないラストバトルっぽさが出ています。そして太輔と広瀬の決着場所が、全てが始まった「学校の屋上」。いいですね、こういう演出。燃えます。
 ようやく勝又の真の狙いがわかりました。心臓を強大に仕立て上げ、弱った御霊にぶつけて対消滅させる、ということ。結局あれか、欠片持ちは御霊を支える役目があったのに、3人とも逆らっていたということなのか…。そんなんでいいのか、御霊!
 勝又が「生命に価値はあると思うか?」という問いに、自信たっぷりで「あるに決まってる」と答えるのは印象的です。警部補としてクズみたいな人間たちを相手にしていたのに、そう答えられるとは…。博愛主義者の警部補、というわけではなく、人類や社会のために正義を為そうとする人間だったということなのかな。

 太輔とメグとナミの三角関係は、結局太輔とメグになるようです。ナミさんかわいそす…。でもナミたんは俺たちのアイドルだから、これでいいよね!(いいか?)
 

21巻

IMGP4516.jpg 桜が吹雪き、幸せそうな3人組が描かれた表紙の21巻、最終巻です。
 広瀬の破壊衝動は、太輔がいてこそ生まれたものだったため、勝又の狙い通りにはならず。最後の詰めが甘すぎた…!そして勝又は御霊に「その死に方はないんじゃないのか?」と言われるくらいあっけなく死亡。結果と彼がやってきたことを思い返すと、本当に、滑稽でしかなかった…。

 過去広瀬が世界の崩壊を望むシーンは、演出がかなり素晴らしいです。この腐った日常が全て瓦解すればいいのに…という、日常の中に潜んだ鬱屈が見事に表現されていました。この演出は初めて見たので感心しました。
 太輔とメグと一緒にいるときは世界の崩壊が止まっていたのに、太輔とメグの思いに気づいたときには、二人と一緒にいるときでも崩壊を望むようになった、っていうのにも広瀬の劣等感とか疎外感が出ていて良かったです。ああ…、私も3人でいるときは私だけ一歩後ろを歩くタイプだから、少し共感できます。 

 ずっと「広瀬を殺す」と言ってきた太輔が、遂に広瀬を殺そうとするシーンも圧巻。葵とメグの反応も完璧です。読者の私も目をそらしたくなったよ…。でもやっぱり太輔にはとどめを刺すことができず。まあこうだろうとは思っていましたが、そのシーンに至るまでの太輔の目がものすごく怖くて、本当にやっちまうんじゃないかと思いましたよ。
 広瀬が核を消し去った行為に至る心情は詳しく描かれていないので、妄想の余地があります。私的には、広瀬は「死神の約束」の岡田のように正義面した太輔を憎んでいたものの、本当に太輔が広瀬を友達だと思っていたことがわかって、太輔を認めて贖罪するために、核を消し去ってくれたのでしょうかね。

 エピローグは5年後。太輔が左手を失った状態のまま、料理人になるべく修行しています。特に理由無く料理の出来る男主人公が多い昨今、ちゃんと料理人を目指すっていうのは好印象です。葵のパンチラもね!
 この漫画のテーマである「生」と「死」ですが、やはり明確な答えは出ませんでした。それは原作者の河島正さんのあとがきにもありますが、そんな大それたものを明示するなんて、おこがましいですよね。英語サブタイにもあるように、「いかに生きるか」ということはいつまでもわからないものです。
 生も死もよくわからないし、悲しみは続いていく。いつも通りの日常の中で、時間が心の傷を少しずつ癒してくれる。根本的な解決にはならないけど、それでも、生きていこう、と。
 
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16~18巻

総括

テーマ : 漫画 - ジャンル : アニメ・コミック

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