明石海峡大橋―夢は海峡を渡る 感想

明石海峡大橋―夢は海峡を渡る   著者 島田喜十郎

 ブックオフでたまたま見つけたこの本。個人的にもよくお世話になっている、明石海峡大橋についてのことが書かれた本です。著者は実際に橋の建設に関わった技術者です。
 バイクで橋の上を走るとまるで空を走っているかのような感覚になるほどの、大きな大きな橋。昔から「すごいすごい」と思っていて、興味があったんです。
 

明石海峡大橋―夢は海峡を渡る明石海峡大橋―夢は海峡を渡る
(1998/03)
島田 喜十郎

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 著者は橋の建設時には、本州四国連絡橋公団で技術の情報を集めたり色々していた模様。そのため行政的なことも技術的なことも両方この本に載っており、建築・橋梁技術が好きな人にも行政が好きな人にも読み応えのある本だと思います。
 著者個人の感覚なども多く載っており、紀行文を読むような楽しさもあります。

 橋の計画最初期から運用まで全てが載っているという訳ではなく、あくまで建設の計画・現場のことが主に書かれています。が、橋の出来る前の神戸や淡路の生活、その交通などに関しては、ほとんど一般人の目線から読みやすく感じやすい文章で簡潔に書かれており、わかりやすくてまた面白くもありました。
 ただ…、橋梁技術の記述に関しては、まず橋梁の専門用語を図と一緒に描いておいてから説明をやって欲しかった…。最初はハンガーケーブルとかアンカレイジのような基本的用語がわからず、「こういう技術が使われたんですよ」と言われてもよくわかりませんでした。読んでいくとわかっていくのですが。
 今までに無いくらいの大きなものを作るとき、新しい技術が多く必要になってくるようです。失敗も許されないため、念入りな調査をかなり行っている様子がこの本にも書かれています。こういうものを見ると、やっぱり研究っていうものは現場に即さないといけないよな…と改めて実感します。

 読んでいると、「世界に誇れる素晴らしいものを、全力で作ろう!」という気持ちがひしひしと伝わってきます。「夢は海峡を渡る」というのがこの本のサブタイトルでありますが、まさしくこの橋は『夢』だったのでしょう。安心して海を渡りたい、こんなところに世界一大きな橋なんて作れるのか?という、希望と現実離れの両方の意味である、『夢』
 みんなが必死に努力して、社会にも役立つ偉業を成し遂げるっていうことは、私の理想の生き方の一つです。だから私は高校生のときから理系の道を進み、そしていつか大きなことをやろうとしてきました。今となってはそんなことは出来ないのかもしれない、と思うようになってきました。が、この橋の建造に携わった人たちは私のような疑念にとりつかれながらも、技術者として持てる力を出しつくし、そして結果を残した。素晴らしい。

 
 日本、いや世界の橋梁技術の結集とも言える明石海峡大橋。ただの大きな橋、では片付けられないほどの魅力が詰まった建造物だと思います。今後は記念館に行ってみたり、橋の運用後の影響などをまとめた本なんかも読んでいきたいと思います。

テーマ : 紹介したい本 - ジャンル : 本・雑誌

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