エマ7~9巻 感想 

雑記
 所得税とか源泉徴収とかのことをほんの少しだけ学んだけど、こういう知識は労働者として絶対に習得すべきものだよね…。でも学校では学ばない。

エマ (7) (Beam comix)エマ (7) (Beam comix)
(2006/05/25)
森 薫

商品詳細を見る
ビームコミックス エマ 8巻(通常版)ビームコミックス エマ 8巻(通常版)
(2007/03/26)
森 薫

商品詳細を見る
エマ 9巻 (BEAM COMIX)エマ 9巻 (BEAM COMIX)
(2007/09/25)
森 薫

商品詳細を見る
7巻

img077.jpg 本編最終巻。これ以降3巻は番外編となります。
 お互いの状況や身分に振り回されたウィリアムとエマとの、付かず離れずだった恋愛は、この巻で一応の決着が着きます。アメリカまでエマを追い求めたウィリアムの情熱と、覚悟を決めたエマ。
 最初はエマを取り合うウィリアムのライバルとなりそうだったインド人のハキムですが、ウィリアムとエマの関係を祝福しているあたりはなかなかかっけーですね。

 最終話のタイトルとなっている「しあわせの花」とは何のことでしょうか。おそらく、エマが選んだ香水の「鈴蘭」のことを言っているのかもしれません。確か鈴蘭は、エマがロンドンを離れるときに駅で買った花でしたね。
 こういう風に花が物語に出てくるときは、大抵の場合花言葉に深い意味を持つことが多いので、鈴蘭の花言葉を調べてみると、「幸福の再来」「意識しない美しさ」「純粋」とのことでした。
 「幸福の再来」は、ケリー夫人が生きていたときのウィリアムとエマとの恋の純粋な喜びが、今還ってきたということなのでしょうかね。「意識しない美しさ」「純粋」は、まさしくエマの性質です。そしてこのウィリアムとエマとの恋の美しさもまた、表れていると思います。

 ラストは社交会に出ようとしているウィリアムとエマの姿で終わり。ウィリアムがエマの手の位置を直すしぐさは、これから二人で協力していろんな壁を乗り越えていこうという意志の表れなんじゃないかと思います。


8巻

img078.jpg この巻から10巻までの3巻は番外編となります。オムニバス形式なので、特に印象に残った話の感想を書いていきます。

 8巻では番外編一番最初の、エマを育てた家庭教師ケリーの過去話が最も良い感じに思えましたよ。本編では少々きつそうなケリーは若い頃からきつそうです。しかし、明るい性格の夫のダグに少し翻弄されたりツッコミを入れたりする関係は見ていてほほえましいです。見事な凸凹コンビですわ。
 そんな二人が少ないお金をやりくりして万国博覧会を楽しみますが、最後の最後で切ない話になりましたよ…。ダグが急死し、彼が何気なく言った台詞、

 「一生に一度のことだよ」


は、本当にそうなりました。そしてケリーにとっても、愛する夫と一緒に行った万博は一生に一度だけ…。この話では万博のすばらしさを表しているというより、人生一瞬一瞬のかけがえの無い時間を表しているのでしょうね。
 
 個人的に本編中のキャラで結構好きだった、ドジっ子メイドのターシャの話も好きです。しかし…森薫さんはすげえですね。イギリス都市部のみの描写だけでなく、田舎もちゃんと描写出来るんですから。イギリスの田舎の風景とか生活習慣とか私は全く知りませんよ。
 この話ではターシャ本人の魅力だけでなくて、いろんな人の生活とか目指しているものとかを知って、自分の将来を考えるストーリーもなかなか良いです。


9巻

img079.jpg ヴィルヘルムとドロテアのイチャイチャ話は凄かった…。森薫は変なこだわりを持っていることがあとがきで明白に示されていますが、彼女のエロスへのこだわりがこの話で十二分に表されていましたよ。でもエロスはエロスでも、男に性的刺激を与えようとするというのではなくて、何と言うか「艶かしい」という単語で表されるようなエロスでしたよ。
 二人がゆったりと話をしたり手を絡めあったり、過去を思い出したり。そういうのには二人の深い愛というものは感じられたと思いますよ。肉体の繋がりだけでなくて精神の繋がりも、絵面同様に裸で接し合っているのでしょうね。

 劇中劇の俳優たちの話は本編とはほとんど全く関わらないものでしたが、この時代のこの国の俳優たちがどのような生活をしていたのかがわかって面白いです。ファンレターとかってこの時代からあったんだね…。
 ストーリーも良い感じ。アレンの心情を追っていたらやっぱり切ないですが、しかしこういうことがあるのが人生で、何を為して生きていくべきかの問題はいつまでもついてまわったりするのかもね。

1~3巻
4~6巻

10巻&総括
web拍手 by FC2

0 Comments

Leave a comment