小説「伊達政宗」3巻 感想 

雑記
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伊達政宗(4)黄金日本島の巻(山岡荘八歴史文庫54)伊達政宗(4)黄金日本島の巻(山岡荘八歴史文庫54)
(1986/08/28)
山岡 荘八

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3巻

 3巻は秀吉死後の関が原の戦いに至る過程から、伊達政宗がスペインと組んで覇権を取ろうという野心を抱くところまで。

 秀吉の死によって、まとまっていた多くの有力大名が各々で動き出し、そのために社会情勢は複雑を極めてきます。特に、後の関が原の戦いでの主役となった徳川家康、石田光成などは各方面に対して工作を行い、味方をつけていきます。
 小説を読んでいる限り、家康や政宗の工作とその狙いというものは奥が深すぎて、私のような凡人には先を予想することなんてできませんわ…。「~な行動を取れば相手は~な行動を起こしてくるだろう。だからそのときに~というような行動を取れば相手に打ち勝つことが出来る」など、武将というものは戦闘だけでなく細やかな気配りやハッタリが上手でなければ行きぬいていけないというのがよくわかりますよ。

 関が原の戦いというものは、家康と光成が主役の戦いでしたが、この小説によると伊達政宗の位置もかなり大きいもののようでした。その理由は、伊達の戦力はかなり大きいものであるため、伊達が本気で味方したほうが勝つ、とのことです。そのため、政宗は「この重要な立ち位置は、安いものではない」として、家康に「百万石のお墨付き」をもらえるように画策したようです。政宗も家康も、こういう対処をするということをお互いに予想し合っており、話し合う以前に話がまとまっている、というお互いの機微を熟知しすぎている展開には驚きですよ。
 さて、伊達政宗が登場しないので記述は少しにしますが、この小説では関が原の戦いで、「徳川家康と石田光成は大人と子供であり、大将の力量が違いすぎる」と評価しています。石田光成は疑心暗鬼で神経質で英断が出来ない男であったため、そのことが戦いの結果の直接的な原因になったようだと、筆者は判断しています。

 関が原の戦いが終わって、徳川家康が覇権を握ることとなります。これにて長い戦が終わり、天下に泰平がやってきます。いや~このときの、伊達政宗が天下を諦める描写とそれを受け入れ、泰平が第一だとする心境の変化の描写は、読んでいて喜びと切なさで心がいっぱいでしたよ!
 
 さて、戦国時代が終わって、これから徳川家による泰平の時代だ!と思われた矢先、秀頼を擁する大坂城の淀君を筆頭とした、豊臣のかつての権力にいまだに固執している輩が多かったようです。その空気を利用して、世間に不満を持っていたり単に不穏なことが好きな輩が大坂城に集まってくるなどして、世間はまたもや不穏な空気となってきます。
 大坂方と徳川方でもう一度戦が起ころうとしていましたが、そのときには世界の海を席巻していたイギリスとスペインが、日本を手に入れるためにその勢力争いとして、日本の東西の戦いを利用していたようです。家康は交易のためにイギリス系と組もうとしていたため、スペイン系は大坂方に味方して、イギリス系のやつらを排除しようとしていたようです。
 これは初めて聞きましたよ…。もしこの小説が正しいのならですが、もうその時代から日本は世界から強い影響を受けていたのだということですね。日本国内の統一だけでも四苦八苦しているのに、ましてや世界だなんて…。
 そして伊達政宗は、秘かにスペインと組み、「イギリスだけでなくスペインとの交易を行って、日本に利益を与えよう!」という名目で行動し始めますが、「あわよくばスペインの力をもってして伊達家が天下を握ってやろう…」という大きすぎる野心も持ち始めてきます。
 
 「欧米と日本の積極的な交流は明治になってからしか無い!」と思っていた私には、この混乱極める東西の争いのさなかに、世界を利用した陰謀が存在していただなんて全く知らなかったので、かなり驚きですし新鮮でした。
 一体この結末はどうなるのか、そして政宗はどのように行動していくのか、楽しみにしながら4巻に続きます。
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