タビと道づれ1~3巻 感想 

タビと道づれ  作 たなかのか

 月刊コミックブレイドで連載していた、「タビと道づれ」についての感想を書いていきますよ。
 たなかのかさんはこの漫画以前にも「伊賀ずきん」などの漫画を描いていらしてましたが、タビと道連れ2巻のそで(表紙カバーの著者プロフィールなどが載ってる場所、調べて初めて名称知ったよ…)に、「大学院退学しました」とありました。えっ…マジで!?今まで学生だったのにプロ漫画家だったのかYO!
 
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1巻

img020_20111014210535.jpg 最初はもちろん導入ですが、いきなり路線図に対して「ねえ、これ何に見える?」というようなロマンチックな問いを投げかけられて、なかなか繊細な漫画なのだろうなと思いましたよ。実際、繊細な漫画です。主人公タビの1巻での答えは、「憧れの人がいる町が明るく光っているように見えるから。」
 いきなり1日を繰り返してしまう街にやってきたタビと、その異変に気づいている住人のユキタとニシムラさんと街の脱出方法を見つけるというのが、世界設定の主な目的。脱出ゲーです
 そして、人付き合い苦手でいつも後ろ向きな主人公タビが、猪突猛進型のユキタと反発したり協力したりしながら、ゆっくりと他人との交流や自分の意志について成長していくことが、この物語の主題でしょうか。
 最初タビは、自分と大多数の人間は決定的に異なっているように考えていて、だから他人と仲良くしようとはしなかったり恐れていたりしていたようです。タビは友達の定義を聞いてしまうほど面倒くせえやつですが、それはつまり自分に一切の自信がないということも表しているのでしょう。
 タビの最初の目的は、「憧れの人であるこうちゃんに会う」でしたが、次第に「自分の世界を変えよう」というようになってきています。他人との接触を拒んでいたタビは、どのように変わっていくのでしょうかね。

2巻
img023_20111014221104.jpg この巻で、お隣に住んでいる幼馴染の年上のユキタが好きで、少々ヤンデレ気味な性格を持つ黒髪ツインテール中学生のカノコが出てきますが、破壊力ヤベえよ。ヴィジュアル的にも性格的にも。年齢的にも
 カノコは、「自分は決定的に『普通』だから、夢なんて持たないし持っていない」と考えています。だから、実力的には普通のさほど変わらないのに夢を追いかけているユキタが嫌いで、そして、好きなのです。この微妙な愛憎の表現がまた素晴らしくてですね、アップしている画像右下コマのカノコの表情は戦慄を覚えるほど。この表情は喜怒哀楽では表せず、ただ「微妙」としか表現できないような…。やはり愛と憎しみは対義ではあるけど、両立するものでもあるのでしょうか。
 カノコは、「自分と一緒に苦しんでくれる『道連れ』が欲しい」と思っています。この漫画のタイトルは「タビと道連れ」ですが、それはつまりこういうことなのか!?他人を自分と一緒の道へ強制的に歩ませることなのか?と少しは考えましたが、カノコのエピソードを考えるとそうとは言えないかな…?

 警官のニシムラさんですが、彼はタビの会いたい人であるこうちゃんと少し「笑い方」が似ているようです。で、そのニシムラさんの笑い方は、まるで全てを諦めているような切ない感じでした。ニシムラさんはツキコさんに対して特別な感情を抱いているのでしょうが、じゃあ、その笑い方に似ている「こうちゃん」は?

3巻

img022_20111014210534.jpg 3巻ではタビの過去のことがちらほら描かれていますが、正直、こりゃいじめられるわ。善意も含めた他人との接触をほぼ全て拒んでいますからね。でもまあそのような行為をとっていたのもおそらく、信じられて裏切られることを最も恐れていたからかもしれませんね。
 2巻ではカノコが、共に苦しんでくれる人を「道連れ」と言っていました。がしかし、3巻のクロネは、手を繋いで共に歩んでくれる人を「道連れ」と表現していました。
共に歩む人も、歩ませる人も、同じ「道連れ」ですが、どちらも人の愛によるものだったりするのでしょうか。なんて、クロネのショタっぷりに危うく道を踏み外しそうになった自分に言えるようなセリフではないのですが。

4~6巻 感想&総括
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