灰羽連盟13話 感想&総括

雑記
 携帯電話での電話中に、相手の声を大きくする方法を今さら知った…



13話 レキの世界 祈り 終章

 最終話。今までは子守唄になるくらいの穏やかな雰囲気でしたが、今回は迫力ありましたよ。特に、レキの想いが全て曝け出されるときは。

 ラッカがレキの部屋に入ったときは、驚きましたよ~。部屋中に絵が描かれていて、さながら一つの世界のようでしたから。それにレキの夢のように、薄暗くて、不気味で、悲しくて…。レキの、「石ころの道を歩く」というのは、実は鉄道の線路の上を歩いていたことのようで、レキはそこで死んだようです。おそらく、自殺でしょうね…。
 レキが話師に与えられた真名は、「轢」彼女は列車に「轢」かれたという過去を持っていることを表しているのでしょうね。真名というのは必ずしも良い意味だけでなく、そのままの「真実」を表すときもあるということか?

 レキの具体的な自殺の理由はわかりませんが、「信じるたびに裏切られる」というのがキーのようですね。信じることが怖かったから、いつも一人で頑張れて、助けを呼ぶことが出来なかった…。
 ラッカの世話を親身になってやっていたのは、本当は「罪憑きということから逃れ、救いを得るため」だったとレキは言っていますし、また「罪憑きじゃなくなったラッカが妬ましかった」とも言っています。そして「そんな自分を軽蔑していた」とも。
 

 …、結果的にレキはラッカに助けを求めること、つまり人を信用することで救われることができました。レキはラッカを利用していたように言っていましたが、実はそんなことはなくて、彼女は本当に優しかったからラッカの傍にいてあげたし、心の奥にある自分の考えに自己嫌悪していたのでしょう。それに、いつも暗い絵を描いていたと思われたレキは、本当は綺麗な絵も描いていたことから、この世界を「救いを得るがためだけの世界だ」とは思っていなくて、むしろ心から愛していたのでしょう。
 レキの名前は最初は「礫」。そしてその次は「轢」。そして、最後は、「礫」。礫の意味は、踏み石となって、弱者を支え導き手になったということ。この演出は良いですね。視聴者には最初に「同じ読みの別の文字である、真名というものがあるんだ!」と思わせて「礫」の文字をひっくり返させて「轢」にして、さらにひっくり返して「礫」になるというのは。
 
 最初はレキなんてただの灰羽の一人のように思っていただけでしたが、かなり深刻な想いを持っていた特別な灰羽だったようですね…。設定が多いこの作品ですが、その設定の根幹とも言える「灰羽とは何か?」というのを、レキの話でわかったような気がします。
 レキの話は最終話にふさわしい、というかそうでなくてはならないと言えるほど、「灰羽連盟」の世界と意味を表せたものだったと思います。


 全体的な感想は、総括で↓


総括
 この「灰羽連盟」というアニメはこの物語独自のいろんな設定が出てくるのですが、登場人物たちの生活や細かな心情描写があるおかげで、すんなりと物語の中に視聴者が入っていけるアニメだったと思いますよ。それに主人公も視聴者同様、この世界のことがよくわかっていなかったり、他の灰羽もよくわかっていなかったりするので、視聴者と登場人物の認識の違いがあまり無かったのも、引き込まれていく要因だったと思います。
 このアニメの舞台は異世界っぽいですが、魔物なんて出てきませんし、敵なんかも出てきません。現実社会とはちょっとだけ違うけど、本質的には同じような「日常」が描かれています。そのせいか、雰囲気がものすごく良いんですよ。ちょっと謎っぽいところがあるけど、それはあまり未来を悲観させるようなものじゃなくて、人々の心を穏やかにさせて癒していくようなものですからね。

 舞台となる壁に囲まれたグリの街って、やっぱり心に傷を負って死んだ人間の魂を癒す場所なんでしょうか。その判断理由としては、
・グリの街に住んでいる普通の人間たちはみんな灰羽達に優しい
・心が満たされると、灰羽は壁を越えていく
・「壁は悪いことから灰羽達を守ってくれている」
・灰羽達は前世のようなものがあり、辛い過去を持っている
…などがありますね。
 最初、私は「白い羽なら天使、黒い羽なら悪魔。じゃあ灰色なら両方になることも出来るのか?」と考えたりしたわけですが、「灰色=白と黒の間」ということに関してはあながち間違ってはいないかも。つまり、「灰羽」というのは心が完全に満たされた状態と冷え切った状態の間の状態であり、グリの街の生活次第でどっちにも転ぶということ
 羽と光輪のある灰羽達は、さながら天使のようですが、彼らは天使のように一方的に救いを与えるだけではなく、他人から救いを受けたり傷つけられたりもあります。天使のように見えて実は人間とほぼ変わらないというギャップは面白かったですが、灰羽達を天使のように見せるのにはどういう理由があるのだろう?羽はまだしも、どうして光輪を授けるのだろう?灰羽は天使と悪魔どっちに近いかというと、天使に近いということを表したいとか、何とか?
 
 「心が満たされれば灰羽は巣立つ」というようでしたが、物語のテーマを考えれば厳密には違うかも。「灰羽連盟」では心が満たされるときには、いつも「他者による救い」があったと思います。クウはみんなと接することで、ラッカは自分を助けようとしてくれたカラス(前世の誰か)を思い出したことがきっかけ、レキは助けを求めたラッカの救いがきっかけだったと思います。もちろん、他の人々との接触によりその下地は作られていましたが。
 つまり灰羽の巣立ちでは、単に心が満たされるというのではなく、「他者との接触により心が満たされたこと」が重要なようだと思います。さらに、心を満たしてくれて自分に救いを与えてくれる「他者との接触は大切だということ」を、この物語は言い表しているんじゃないかと、私は思うわけですよ。
 
 世界の設定はいくつもありますが、それらは灰羽の生える人間達の心情の描写のためのものでしたね。そして、他者との接触の大切さを教えてくれたようです。閉鎖された環境だからこそ、人々はその中で暮らしやすいようにみんな仲良くなるような生活を送っているのでしょうかねえ。

 基本的にみんな優しくて雰囲気の良い、ほんのりした味わいのある隠れた名作だったと、私はこのアニメを総括します。


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コメント

灰羽連盟を全て見終え、考察や感想を探していたらこのサイトに辿り着きました。
13話を見てちょっと分かりづらかった箇所もこのサイトを見てなるほどな、と感心させられました!
この柔らかい優しい雰囲気のアニメを周りの友人達にもオススメしたいと思っています!
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