風の谷のナウシカ1~3巻 感想 

ナウシカは、映画のほうが多くの人に知られている。多分日本国民の殆どが、見たことはあるはずだ。
しかし、漫画版は映画ほど知られていない。漫画版こそが原作であり、完成作品であるのにだ。
映画版は、原作の1,2巻程度であり、土鬼すら出ない。ただトルメキアと風の谷とのひと悶着と、腐海のことが出てくるだけだ。
映画を見た人はこう思うだろう。「風の谷のナウシカは自然保護を題材とした映画だ」と。
確かに漫画版でも自然保護が題材の中に入っているが、本当の主題は他にある。

だが、序盤は色々なテーマにとらわれずに、漫画としての面白さに注目してもらいたい。

 第一巻の裏表紙から1ページには、宮崎駿先生のナウシカへの思い入れを書いてある。ナウシカとは、ギリシャ神話に出てくる、自然を愛する心優しい少女のことだ。他にも、虫愛ずる姫君のことが書いてあったりするので、宮崎駿先生は自然を愛する少女というものが好きなのであろうか。
 漫画については、とうの昔に才能ナシと漫画を断念したとも書いてある。

 読んでみれば分かるが、宮崎駿先生は決して漫画について才能が無いわけではない。むしろ才能は相当なものだ。少し線が多くてみづらい気を最初はしたが、読んでいくうちに別に気にしなくなった。むしろ絵の迫力などの、よいところが次々に分かってくる。ストーリーも大分面白い。ドキドキ感、ワクワク感が込みあがってくるので、ページをめくる手が止まらない。

 風の谷のナウシカは、そんな痛快アクションとしての面白さもあるということだ。


第一巻

 一巻は映画に良く似ており、あらすじは説明するまでも無いだろう。ナウシカは腐海を見回ったり、トルメキアが風の谷へ来たり、オームが出現したりする。

 装甲兵との戦闘で分かるが、ナウシカは強すぎる。非力といわれる女性であるのに、屈強な装甲兵を殺すことが出来たのだから。では、彼女の力の源は何であろうか?
 ナウシカは族長の一人娘である。族長ジルは多くの子供を生ませたが、ナウシカ以外は全て死んでしまった。故に次代族長としての重圧がナウシカにかかり、それが彼女に責任感を持たせ、身体的にも精神的にも強くなったのだろう。
 彼女は強いだけでなく、心優しい少女でもある。人を思いやり、腐海の生物にすら愛を抱いて接している。まるで聖母のごとき存在だ。
 優しさと厳しさの両方をもつナウシカは、主人公としての条件を全て満たしている。まさに英雄だ。そんな彼女が、この絶望あふれる世界でどう生きていくかは見ものだ。

 一巻だけで分かるが、この漫画は色々な設定が出てくる少し複雑な物語だ。腐海、戦争、地理、陰謀、宗教等等。
 しかしこれらの複雑な設定こそが物語に厚みをもたせ、魅力となるのではないだろうか。幸いそこまで複雑なものは無いが、様々な設定が入り組んで物語が進行していくので、大まかには覚えておいたほうがもっともっと楽しめるだろう。



第二巻

 第二巻でも色々な謎が解消され、また謎が増えていく・・・といった感じに進む。ただ単純に面白いので、あまり書くことも無い。設定を全部書こうとすれば時間がかかりすぎるのでやめておく。

 小島に残されたオームをナウシカが救おうとした場面分かるが、オームには人間に意志を伝えることが出来る。それほどオームは不思議な存在でもあり、偉大な存在でもあるのだろうか。

 ある言い伝えには「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし」というものがある。オームの血は真っ青らしい。つまりこの言い伝えは、ナウシカが小島で体験したことこそがそっくりそのまま言い表したものなのだろうか。それともまた別のことを指すのかもしれない。



第三巻

 三巻はトルメキアと土鬼との戦闘シーンが特に面白い。少数体大勢の戦闘であり、少数派が知恵を絞り、多数派に多大な損害を与えるという、いかにも日本人が好きそうなものだ。他にも日本人が好きなのが三国志であるが、三国志では軍師が策を練り少数が多数を破るというシーンが数多くあるほかにも、登場人物の魅力というのも日本人から支持される所以であろう。軍師でもあり、指揮官でもあるクシャナに言及しよう。
 指揮官であるクシャナの魅力は、以前からあったが、大分心惹かれる程度のものにまでなってきている。苦戦している自軍の元に着くとやいなや、すぐに状況の把握と作戦会議をし、計画に移る。その決断力と頭の回転の速さは、私でも彼女の部下になりたいと感じるほどだった。戦闘でも最前線にたつという勇気ある行動は、もはや主人公であるナウシカほどのものだろう。
 考えてみたが、というより考えるまでも無く感じたことだが、「風の谷のナウシカ」の裏の主人公はクシャナなのではないだろうか。ただの脇役ではここまで描写されることも無く、功績も少ないことになるだろう。その点クシャナは、部下から信頼され、悪人である兄たちを恨むなど、登場回数が多く魅力的な人間として描かれている。実際、第三巻の表紙がクシャナであることからも彼女が裏の主人公であることが推察できるだろう。

白兵戦


 

 少し気になったが、



辱め
蟲の口



 ナウシカってこんな場面多くないか?
作者の趣味なのか?


4~6巻感想

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