プラネテス総括 ~愛とは何か~

愛、それは人と人との繋がり

この漫画はそれを見事に描写できた。
愛の存在を否定し続けたハチマキが愛を知るまでの道程や、愛と宇宙の関係がこの漫画の主題だと思う。
ではそこらへんを考察してみようか。




 最初、ハチマキはただ夢を追いかけ、他人に過干渉しない孤独に近い人間だった。夢を追いかけることこそが彼の生きがいであり、それが彼の力の源だった。そんな自分を否定すれば、自分が無意味な存在と思えるほどに。
 彼は一人を好んでいる。自分の全ての感情は全て自分のもので、他人に与えることはしない。一人で生きていくと信じることが彼の信念だったのか。まるで、宇宙でただ自分だけが存在していることを望むほどだった。

 しかし彼は、タナベに会ったり、宇宙とは何かを知ったりしていくうちに、変わった。タナベによって自分の力の源である、孤独に影響を与えられた。死にかけのネコに会って宇宙の広大さ、自分のちっぽけさを知った。
 その後悩んだ末に、タナベに会って、愛を素直に自分の心へ受け入れることが出来た。もうそれからは、彼は愛の価値を理解し、最終話でそのことを話したのだ。


 彼の考える愛とは、
        人間にとって無くてはならないものであり、強大な力を持っている。

 彼は力の源は自分の怒りなどの感情だけと思っていたのが、最後には愛こそが力の源であると悟ったのだろう。

 愛は人と人を繋げるものだと、何回も書いてきた。ゆえに私は考えた。
    
     愛による人との繋がりが大きな力となる。 

 人類の力の根源は、このよく言われることであったのだろうか。私自身、あまり愛というものを実感したことが無い。ここまで生きてこれたのは自分の力であると考えてきた。自分自身こそが命の源だ。
 しかし、本当は周りの人間と関わりあって助け合ってきたから、私は今ここに存在できているのだろう。自分ひとりではこの無慈悲な世界で生きていけない。人間は助け合わなければすぐに崩壊する。ハチマキはそのことを理解できたのだ。
 ロックスミスはこのことを理解したのだろうか。彼は真の愛を探求しているが、実は真の愛は身近に転がっているものではないのだろうか。

 愛は物質では無い。抽象的なものだ。だからこそ、知らず知らずのうちに手に入るものであり、宇宙の果てまで行っても、見つからないものでもあるのだろう。



 この漫画は、宇宙という科学のあふれる世界の中で、極めて抽象的で人間的な存在である、愛を表現した。そのアンバランスなものをここまで表現し、読者に感動を伝えたプラネテスの作者、幸村誠先生に多大な敬意を表したい。

 ちなみに、NHKでアニメ化されたプラネテスは設定が大分違うが、根ざしているものは同じだ。なので時間に余裕がある人は見てみよう。アニメも賞をもらうほど、良作である。

前半感想
後半感想

テーマ : 漫画の感想 - ジャンル : アニメ・コミック

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